アニメ リコリス・リコイルを研究する(第1話)

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こんにちは、アクションアニメ大好きミスミリ研の武代(たけしろ)です。
今回は、最近おすすめされたA-1 Picturesオリジナルアニメコリス・コイル」をミスミリ研的に研究していきます
秘密治安維持組織DirectAtack(通称DA)に所属する「リコリス」と呼ばれるエージェント達の物語でかわいいキャラクターカッコいいアクションが見どころのアニメです。
女子高生ながら主人公たちはエージェントとしてしっかり訓練を積んでいるという設定なので、アクションシーンはもちろん、キャラクターの細かな立ち振る舞いまで戦術的に考察されているスキのない丁寧な作品になっています。
このブログでは、アクションシーンなどマニアックな箇所が分かると作品の解像度がもっと上がるをモットーに分かり易く解説します。*くれぐれも作品を見た後の答え合わせとしてご覧下さい。*

  • 登場するリコリスの銃について
  • 作中シーンの考察と解説
  • まとめと感想
主人公千束のハンドガン デトニクスコンバットマスター(画像は第2話より引用)
千束の銃の詳しい説明はこちら

アメリカのデトニクス社製の45口径ACP弾(弾丸直径11.43mm)を使用する小型拳銃。
本来はコンシールドキャリー(隠匿携帯性)を良くする為にコンパクト化されたモデルですが、千束が得意とする近接戦闘術での取り回しと、非殺傷弾で相手を無力化させるために必要な弾丸のパワーを両立させるためにチョイスされたと考えられます。チョイスが渋いぞ
作中ではさらに千束にあったカスタマイズがされており、弾丸の発射ガスを上方に逃がすマズルブレーキを兼ねたトゲトゲしたスパイクが付いているのが目を引きます。このスパイクには近接戦闘時に殴打するのに使ったり、近距離で敵に銃口を押さえられるという反撃を抑止する効果があります。
また、マズルブレーキを装着した事によりマズル上側に出っ張りが出来てしまい、ノーマルサイト(照準器)が隠れてしまったのをサイトを高く設置するハイマウント加工でクリアしています。

もう一人の主人公たきなのハンドガン M&Pミリタリーアンドポリス(画像は第1話より引用)
たきなの銃の詳しい説明はこちら

ミリタリー&ポリスの名前の通り軍隊や法執行機関での使用を狙って作られた拳銃で、本体がポリマーフレームで軽量かつ過酷な環境に耐える堅牢制。大容量マガジンによる継戦能力の高さ(隙を晒すリロードを減らせる)など質実剛健なたきなに似合うプロの仕事道具といったイメージです。
こちらもノーマルからカスタマイズされており、非常に長いサウンドサプレッサー(通称サイレンサー)が付いていることと、千束の時と同じようにサイレンサーで隠れたサイトをハイマウントにしていることが見てとれます。

主人公以外のリコリス(通称モブリス)のハンドガン グロック17(画像は第1話より引用)
リコリスのハンドガンの詳細はこちら


たきなのM&Pと同じくポリマーフレームを使用した拳銃ですが、M&Pの誕生の20年以上前にプラスチック製拳銃として大成功を収めている傑作銃で、名前の17は17発弾が入るからと言われる事もある、大容量マガジンと頑丈なポリマーフレームの角張ったボディ、グロック社独自の撃発機構により銃を落としても暴発が起きにくいなど独自性の塊のような銃です。
こちらも軍隊や法執行機関での採用実績が豊富で有名な所だとFBI(アメリカ連邦捜査局)でも採用されています。アニメや漫画それに実写映画でもよく登場するので知っている人も多いと思います。
この銃も非常に長いサイレンサーが付いており、銃身が長くなる事の取り回しを犠牲にしても消音効果を優先するという秘密組織の官給品というイメージにピッタリです。

ここから作中の気になるシーンの考察と解説

本編1分15秒頃 リコリスの銃のバレルにサイレンサー装着用のネジが切ってある(第1話オープニングより引用)

リコリス達の銃にはサイレンサーを装着することが前提になっているようで、サイレンサーを外した状態の銃でも取付用のネジが付いています。じつは銃社会の米国においてもサイレンサーの所持や使用が禁止されていることからも分かる通り、本来はサイレンサーの取り付けを前提に作られてはいないためわざわざサイレンサー取り付け用にバレルを交換していることが伺えます。
凄いぞDA

本編1分59秒頃 ライフルを構えるミカ(第1話より引用)

立て籠もり事件のバックアップとしてミカが狙撃銃を構えるシーン。
詳しい銃の特定はできませんが、高倍率スコープや覗き込み時の頬を支えるチークパッドなど狙撃補助部品が付いている事からSWS(SniperWeaponSystem)と呼ばれる高機能モデルであると考えられます。バッグの上に銃を載せて安定させている(レストしている)事やまだトリガーに指が掛かっていない事など訓練された人間という事がよく分かる描写です。
芸コマですな

本編2分40秒頃 立て籠もる武器商人とその部下(第1話より引用)

包囲されて立て籠もる武器商人と部下。
武器商人はマカロフ拳銃を、周りの部下はAKMの折り畳みストック(フォールディングストック)仕様のAKMSであるとみられます。どちらも旧共産圏にあたるいわゆる東側諸国の銃としてメディアでも有名で、リコリス達の西側諸国の武器とあえて対比にしているのだと思われます。
このシーンの気になる点としては後方で左利きで構えている構成員がいることです。銃は工業品であるため大多数を占める右利きに合わせて作られており、射撃時に撃ち終わった弾を吐き出す排莢の方向が右構えの邪魔にならないよう右側になっています。
なので左利きの人間でも右手で銃の訓練は行うのが本来ですが、おそらく右構えだと構成員の後頭部しか見えなくなり画面が映えないので敢えて左利きで顔が見えるようにしているのでは無いかと思います。リアルだけでなく臨場感を演出する良い塩梅だと思います。
Goodです

本編2分47秒頃 PKMを構えるたきな(第1話より引用)

こちらも東側諸国の武器の為、武器商人の部下が使っていたものか或いは取引の商品だったと考えられるPKM機関銃。本体重量とフルロードされたマガジンで恐らく10kgは軽く超えてると思います凄いぞたきな
肩掛け用のスリングと上部の取っ手(キャリングハンドル)とストックで三点保持して射撃コントロールしてますね。

本編18分7秒頃 全弾撃ち切りスライドストップしてるM&Pカッコいい(第1話より引用)
本編18分8秒頃 振り出すようにマガジンチェンジするたきな(第1話より引用)

襲撃犯の車に全弾打ち込みマガジンチェンジするたきな
銃のマガジンキャッチと呼ばれるボタンを押すと、固定されているマガジンが外れて自重で落下しますが、マガジンは何度も再利用するため落下の衝撃で歪んでしまっていたりすると引っ掛かって自重で落ちて来ない事があります。なので少し強めに振り出すようにしながらマガジンキャッチを操作することでマガジンチェンジの確実性を上げている描写になります。
細かすぎるぞ。もっとやれ
振り出すほかには手首のスナップを利かせてマガジンチェンジする手法なんてのもあります。

本編18分8秒頃 おそらく弾数アップの為に拡張されたマガジン(第1話より引用)
本編18分10秒頃 鞄から替えのマガジンをだすたきな(第1話より引用)

背中の鞄から替えのマガジンを取り出すシーン。
マガジン本体の下側3分の1位のとこから色が濃くなっているのが見えます。おそらく通常のマガジンを延長(エクステンド)することで装弾数を上げる加工をしているのでは無いかと思います。
めちゃめちゃ車に撃ってましたしねただ、もしかしたらマガジンを落下から守る為の材質変更かもしれません…しかし、背中のリュックからリロードって映画版の「トゥームレイダー」で見たぐらいしか記憶にないですね。
カッコいいしもっと流行れ。

本編19分頃 空中偵察のドローン赤外線が出ているのが分かる(第1話より引用)
本編19分25秒頃 緑掛っているが色彩の判る暗所映像(第1話より引用)

襲撃シーンを空中から観察しているドローンのカメラ映像。
ドローンが写ったシーンで赤い光が見えるのでおそらく赤外線(IR)を照射していると考えられますが、赤外線を照射する暗所撮影では照射した対象から赤外線の反射が有るか無いかのシグナルのみで映像とするため白黒画像になってしまいます。
その点、この映像では緑掛かってはいるが色の違いがわかるカラー画像の為、いわゆるナイトビジョン(暗視スコープ)と同じ原理で、撮影対象近くの光源からの僅かな光を増幅させてカラー映像にデジタル処理する方式が採られていると考えられます。赤外線は補助的なのかな?
レンズ性能が良くないと望遠対象の画像が歪んでしまいますし、映像処理のCPUで賢くないとデジタル処理が甘くなってしまう為非常に高性能で高級なカメラで、しかもそれをドローンに乗っけて電源供給しながら運用って凄いぞウォールナット。

本編19分28秒頃 曲がり角の敵を華麗に対処する千束(第1話より引用)

バンの裏に隠れた襲撃犯を迎撃する千束
銃を顔の前に構えず胸の前に置く独特なスタイルはC.A.RCenterAxisRelock)システムと呼ばれ、アメリカで射撃を教えるタクティカルインストラクターが考案したとされています。
閉所での銃撃戦では構える為に伸ばした腕を掴まれ銃を奪われたり、曲がり角で銃が先に見えてしまうなど注意することがありますが、このスタイルならばその心配はありません。
このシーンでも先に曲がり角で待ち構えている相手に銃を奪われる事無く対処できています。
C.A.Rシステムは映画「ジョン・ウィック」で有名になってその後のアクション映画でもよく見るようになりましたね。
当時劇場鑑賞後にYoutubeでトレーニング動画調べて練習しました。

本編19分20秒頃 ドアに5発と止めの1発(第1話より引用)
本編19分40秒頃 襲撃犯に6発撃ち込んでスライドストップしてるデトニクス(第1話より引用)

本日一番の芸コマポイント
ナビシートから出てきていきなり撃ってきた襲撃犯に怒りながらマガジン全弾6発叩き込んで一旦リロード。そのまま後方に回り込んで残党に6発撃ってから拘束銃を撃ってるシーンですが、しっかりデトニクスがスライドストップしています。

いやこのシーン一秒も無いのに描写細かすぎるぞ。サイゼリヤの間違い探しか⁇

本編19分42秒頃 謎の拘束銃に捕まる襲撃犯(第1話より引用)

千束に制圧されて拘束される襲撃犯。
非殺傷弾なのでその後の反撃に備えて謎の拘束銃により縛られていますね。
おそらく現実ではこういった拘束するための銃のようなものは無いのかな?と思いますが、どうやら両端に重りみたいな物が付いていて高速で巻き付く構造みたいですね。
ボーラと呼ばれるネイティブアメリカンの重りの付いた投げ縄に似たコンセプトなのかと想像。
ちなみこの拘束銃も射撃音がするので火薬を使用するみたいなので日本の銃刀法に抵触しそうです。

本編19分30秒頃 赤い煙のように見える着弾点(第1話より引用)
本編19分44秒頃 何かぽろぽろと破片をさわるたきな(第1話より引用)

非殺傷弾だと言ってたきなが弾丸の破片を触るシーン。
次の話以降で「ゴム弾」を使っていると明言されていますが、それは一般の視聴者に非殺傷弾だと分かり易く説明するためで、本当は「フランジブル弾」を使用しているのでは無いかと武代は思います
フランジブル弾」とは、普通の弾頭が金属の塊を射出するのに対し弾状に成型し圧縮した金属粉を弾として飛ばします。
通常の弾丸と比べ一塊の金属で無いため着弾の衝撃で弾が粉砕され、結果として怪我を負わせるリスクが少ない弾なので非殺傷弾として千束は使用している。金属粉の弾丸だから着弾時に煙のように舞い散り、たきなはその金属の欠片ぽろぽろ触っている。のではないかと想像しています。
フランジブル弾なんて、アメリカンドラマの「バーンノーティス」でしか聞いたことないしなー

まとめと感想

友達に面白いアニメがあるから見てアクションシーンの解説もして欲しいといわれ、気になるシーンまとめてみたけど1話でこのボリュームになるとは想像してなかった。。5800文字も書くなんて。。。
それだけ芸コマな作品であることはよーく分かったので、2話以降も解説するので次回を待っていてください。

お読み頂きありがとうございました。それではまた次回‼

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